ソニーのハンディカム:HDR-HC3の修理 [5:その他]
ギターの演奏収録に使っているソニーのハンディカム(HDR-HC3)が故障したので、修理に出しました。これは2006年製のモデルで、FullHD画質の録画が可能。
症状は、カセットを入れるスロットのふたが「カチッ」と閉まらず、開いたままになってしまう、というもの。機械的な故障の様子。
この商品はネットで購入したもので、特に修理保障期間の延長も行なっていなかったので、ソニーの「修理品受付窓口検索」から修理を受け付けてくれる近所のお店を探してみました。
http://www.sony.jp/navi/shop/search_s.html
上記サイトで見つけた近所のソニーショップに持ち込んで、見積もりを取ってもらったところ、19,950円(税込)と連絡が来ました。最新版の新品を買うとなると6万円以上かかるので、修理をお願いすることに。
先週、修理が終わったと連絡が。テープを作動させる部分のユニットが全交換されていました。
【交換部品】
・メカデッキASSY 故障状態:動作不安定
・ドラムASSY DEH-33E-R 故障状態:不良
【修理代金】
19,950円(税込み)
【修理期間】
2009年9月18日受付~2009年9月29日修理完了
(注:期間中に祝日3日含む)
修理伝票の一部。
ちょうど娘の運動会の数日前だったので、ぎりぎり間に合って助かりました。使ってみたところ、特に問題なく動作しました。
取り外したユニットが付いていたので、しげしげと眺めていました。かなり複雑な作りで、いかにも「ノウハウの塊」という感じのオーラを発しています。
取り外されたカセットのユニット。
今後もしばらく家族のイベントやギターの動画撮影に使っていくつもりです。
Cowon D2tvワンセグ & D2+ の紹介 【英語リスニング&ギター練習用として】 [5:その他]
携帯音楽プレーヤーはAppleのiPodシリーズが全盛ですが、わたしの場合、
①. 音楽を高音質で聴きたい。
②. 英語のリスニング用機能が充実している。
③. ギターの練習用にスピードを下げて再生が可能。
...という目的に合うMP3プレーヤーとして、「Cowon D2tvワンセグ」を使っています。マイナーなプレーヤーですが、どちらの目的に対しても機能が合致してとても気に入っているので、ここで紹介させていただきました。
なお、「D2tv」は次世代機の「D2+」が発売されているために近いうちに廃番になると思われるので、D2+(ワンゼグ機能がない以外はほぼ同じ仕様)の紹介も入れてあります。
◎ メーカーHP
【D2+】
http://www.cowonjapan.com/product_wide/COWOND2+/product_page_1.php
【D2tvワンセグ】
http://www.cowonjapan.com/product/product_d2_1seg.php
以下、よく使う機能についてのコメントです。
◎ 英語学習に最適な機能について
1.速度変換機能 & 区間繰り返し再生機能
もっとも使用頻度が高いのは、JetEffectによる速度変換機能。
再生速度が50%~150%の範囲で10%刻みで調節できます。
ピッチ補正機能が付いていないので、音程が変化します。
再生速度を50%に下げているところ。
英語のリスニング用では、150%で通常の会話がなんとか聞き取れる程度。これ以上速くなると、何を言っているのか分からなくなるので、150%まで音声を速くできれば十分だと判断しています。
主に通勤時にリスニングしていて、聴き慣れてきたものについては、再生速度を少しずつ上げながら繰り返し聴くようにします。このトレーニングによって、TOEICのリスニングテストの際に英語を聞き取りやすくなる効果があります。再生速度を高くすると、短時間に多くの英文を聴けるというメリットも。
再生速度を上げてリスニングすると、リスニング能力が高くなる・・・とある本で読み、TOEICテスト対策として半信半疑で半年間試してみたところ、リスニングで50点もスコアが上がりました!これだけでもD2tvを買った甲斐があったというもの。リスニング満点を目指し、さらに聴き込んでいます。
TOEIC試験の結果。こちらはD2tv導入前。
半年間リスニングした後の結果。
リスニング以外はあまり勉強していなかったのに、なぜかリーディングのスコアも伸びました!
不思議・・・?
リスニングに慣れていなくて英文が聞き取れない...という場合、逆に再生速度を遅くすることで聴き取れるようになります。50~150%の範囲で速度を変えられるので、遅くすることも速くすることも可能です。
特定の聴きにくい部分に限定して繰り返し再生することも簡単。
また、画面上にある再生バーを押すと任意の部分から再生できるので、ファイルの途中から聞き始めたい場合に便利です。
注意点: 再生速度変更が不可能なファイルがありました。
【再生速度変更が不可能なファイル】
・Audibleのファイル
・ワンセグ機能で録画した動画
...これ以外の通常の音声ファイル、動画ファイルは再生速度の変更が可能です。
2.Audibleを使ってみる
オンラインで英語の朗読ファイルを提供している「Audible」を利用できます。D2に取り込んだファイルは「Audible」フォルダに格納されます。
オーディブルのファイルをD2に取り込んで再生してみたところ、チャプター毎に分割されておらず、途中から聴くためには画面のバーを押して聴きたい場所を探さなくてはならないので、「不便だなぁ~」と思っていました。
ある日、メインボタンを「Hold」の位置にして、ボリュームを調整する「+/-」ボタンを押すと、見た目は1つのファイルでも、実はチャプター毎に中のファイルが分割されていて、チャプター単位で頭出し/早送りができることに気がつきました。(この機能を有効にするには、「ホールド設定」を変える必要があります。)
Audibleの機能で唯一残念なのが、再生速度を変えられないこと。もし再生速度を変えたいのであれば、CDを購入し、圧縮ファイルに変換して通常の音楽ファイルとして聴くしかありません。
3.英語の2カ国語放送の録画と再生
D2tvワンセグは、ワンセグ放送の録画が可能。
例えばNHKの2カ国語放送ニュースを録画すると、日本語の字幕と英語の音声が出力されます。(音声の設定を「副音声」にする点に注意。)
前の晩に録画しておいたニュースを翌日の通勤時に聴く・・・といった使い方ができます。2カ国語放送のドラマや映画を録画してもおもしろそうです。画面は小さいものの、ワンセグの文字ははっきり読みとれます。
※D2の画面は少し小さいので、動画鑑賞をメインに使いたい...という方にはおすすめできません。
画面の大きなCowon S9 のようなモデルがよろしいかと思います。
4.無料の英語リスニング教材をインターネットからダウンロードする
インターネット上にはたくさんの英語教材があります。
特に気に入っている教材を2つ挙げておきます。これらのサイトからファイルをダウンロード後、D2の「Music」フォルダ内にコピーすれば、すぐに聴くことができます。再生速度も変えられます。
◆ VOA_Word Master (Lida Baker)
http://www.voanews.com/specialenglish/wordmaster/lida_baker.cfm
◆ Voice Treck
◎ ギターの練習に最適な機能
1.速度変換機能
ギターの練習用には、再生速度を遅くして音を拾う目的で使っています。弾きこなしが難しい曲をコピーする際に重宝しています。
再生速度50%では周波数が半分になるので、ちょうど一オクターブ下がった音程になります。
2.動画機能
自作のギター演奏動画をD2にコピーし、再生速度を落として再生することで、難しいフレーズの指使いをじっくり調べることができます。
こんな感じ。
↓
3.音質へのこだわり
D2、D2+とも「BBE」という音質改善回路が導入されており、デジタル圧縮した音声ファイルを聴きやすい音質に変えてくれます。音質について細かく比較したことはありませんが、自分が使っているヘッドホンでは音のアラがほとんど気にならないので、かなり気に入っています。
【BBEによる音質改善手法の詳細】
・BBE MP プロセス(CowonのHPより)
デジタル圧縮によって失われた高調波の修復、補償により、MP3やWMA等のデジタル圧縮により劣化した音声の音質を改善する手法の解説。
http://www.cowonjapan.com/product_wide/product_bbe.php
・BBE(ビー・ビー・イー):音質改善プロセスの解説
http://bbesound.jp/techbbe/
◎ 動画ファイルの変換
付属のエンコーダも使えますが、いろいろと試した結果、「XMediaRecode」の使い勝手がいい点が気に入っています。動画を処理した後の画像と音声の ずれ もなく、快適に使えます。
複数のファイルをまとめて一括エンコードできます。圧縮の設定項目に「D2」があるので便利。
[参考] XMediaRecodeのダウンロード方法と使い方を解説しているサイト
http://www.gigafree.net/media/conv/xmediarecode.html
◎ オンライン・マニュアル
細かい機能に関しては、オンライン・マニュアルをチェックしてみてください。
【D2+】オンライン・マニュアル
http://www.cowonjapan.com/zeroboard/zboard.php?id=C09&category=&no=48&bmenu=support_wide
【D2tvワンセグ】オンライン・マニュアル
http://www.cowonjapan.com/zeroboard/zboard.php?id=C09&category=&no=41&bmenu=support_wide
◎ D2tvで気に入っている点のリスト
◆ 再生時間が長い。
一週間で20時間ほど使っていますが、電池を使い切ったことがありません。電池残量をまったく気にせず使えるので、ストレスがなくて快適。(メーカーHPでは、音楽再生は最大52時間)主に自宅のPCにUSBケーブルでつないで充電しています。
D2tvに付属のアダプターを使えば、充電中に音楽を聴くことができます。D2+にはアダプターが付いていません。(USBケーブルで充電中にはどちらのモデルも音楽を聴くことはできません。)
◆ ファイルの整理が簡単
iTunesのような音楽ファイルを整理するための専用ソフトが不要で、通常のフォルダにドラッグ&ドロップするだけで音楽ファイルをD2に移動できます。自分好みにフォルダを整理して音楽ファイルを保管したい方には使いやすいプレーヤーです。
CDから音楽メディアに変換するには、Windows Media Player(ウインドウズ・メディア・プレーヤー)を使っています。なるべく高音質のファイルにするため、ウインドウズ・メディア・プレーヤーの設定を変えています。([ツール]→[オプション]→[音楽の取り込み]タブ の画面で、音質の設定を変えます。
わたしは「Windows Media オーディオ」の192Kbpsにしています。)
Windows Media Playerで取り込んだ音楽ファイルが格納されている場所は、同じタブの画面の上方にある「取り込んだ音楽を保存する場所」の部分に書いてあります。
◆ SDカードを増設可能
内蔵のメモリに加えてSDカードによる増設ができます。(SD/SDHC/MMCカードスロット有り)最近はメモリの値段が下がったので、コストパフォーマンスは抜群。余っているSDカードを有効活用できるというメリットもあります。
◆ 音の出力が大きい
イヤホンやヘッドホンを使う際にはそれほど大きな音量の出力は必要ありませんが、電源不要のポータブルスピーカーや車内で使うFMトランスミッターと接続して使う際には出力が大きい点で助かっています。
電源不要のポータブルスピーカーと接続したところ。
出力が大きいので、普通の大きさで聞こえます。
【参考リンク】
Cowon D2 @wiki(FAQ)
http://www41.atwiki.jp/cowond2/pages/12.html
【D2+】関連
・16GBモデル(ブラック)[Amazon]
Cowon D2+(Plus)
COWON プレミアムMP3 Player D2P-16G-BK
- 出版社/メーカー: コウォンジャパン
- メディア: エレクトロニクス
・16GBモデル[価格.com]
http://kakaku.com/item/K0000025837/
【D2tvワンセグ】関連
・4GBモデル(ブラック)[Amazon]
Cowon D2tvワンセグ
※自分はこちらを使っていますが、最新版のD2+の方が記憶容量が大きく、かつ価格が安くなってますね。。。
・4GBモデル[価格.com]
http://kakaku.com/item/01330410129/
洲之内徹が盗んでも自分のものにしたかった絵 文・洲之内徹 [5:その他]
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銀座の「現代画廊」を経営していた美術エッセイストの洲之内徹がコレクションした絵の画集。
それぞれに短文が添えられており、絵と文章がお互いを引き立てています。
音楽や絵をたしなむ身として、「はっ」とさせられる文章を拾ってみました。文章中の「絵」を「音楽」に置き換えてみると、ひとつひとつの言葉に考えさせられるものがあります。
<ノート>
どんな絵がいい絵かと訊かれて、ひと言で答えなければならないとしたら、私はこう答える。
「買えなければ盗んでも自分のものにしたくなるような絵なら、まちがいなくいい絵である」と。
写真家の土門拳さんが鳥海さんの「うずら」を画廊に売りにきたとき、私はまさにそういう気持ちになった。
松本俊介の世界のこの静かさと美しさは、運命に従順な物の持つ静かさと美しさではあるまいか、という考えが浮かんできたのであった。
所詮、絵かきは絵で物を言わなければならない。それが絵かきの宿命である。
わたしは常々、絵というのは生き物で、一枚の絵にはその絵の運命があると思っている。
絵は絵だというのが、いうならば私の絵画論の全部である。絵が自分で語りかけてくれるもの以外は、ほんとうは、私はあまり信用しない。
展覧会を見に行けば、大きな声を出した者が勝ちというような絵がずらりと並んでいる。この居心地の悪さ。どちらを向いても私は生きた心地がしない。どこにもこの身を託すことのできるリアリティーがない。
(小野幸吉の絵について) その率直さにうたれた。そして、人間が率直であることのできた時代というものがあったのだ、とつくづく思った。率直ということは美しい、いまの世の中にないのはそれなのだ。
売れないことは、画家にとって、決して不幸とは言えない。(・・中略・・)他人の眼が絵の中に入ってくる。心ある画家にとって、他者の眼との戦いこそ、真の戦いであろう。
いまの絵が概してつまらないのは、要するに、この「ね、見て、見て、」がいけないのだと思う。
(2009/6/14記)
気ままに絵のみち 熊谷守一 (別冊 太陽) [5:その他]
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ソロ・ギターの曲に対して、「いい曲だなぁ~」と自分が判断する基準のひとつに、「聴いていると音楽を忘れてふっと絵が浮かんでくるもの」というのがあります。
「じゃあ、どういう画家が好みなの?」と問われたら、まず挙げたいのが熊谷守一。
飄々(ひょうひょう)として枯れた構図に見えますが、じっと眺めているとなんともいえない力強さを感じる不思議な画風が魅力です。
わたしが熊谷守一の絵を知ったのは5年前のこと。
たまたま立ち寄った水戸にある茨城県近代美術館の展覧会でした。
その日は倉敷にある大原美術館の所蔵品が展示されていて、そこに展示されていた「陽の死んだ日」という作品に出会ったことがきっかけです。
それまで熊谷守一という画家のことはまったく知らなかったのですが、この絵をみた瞬間に「!」となってしばらく立ち尽くしてしまいました。
・熊谷守一「陽の死んだ日」(1928) [大原美術館所蔵]
http://www.ohara.or.jp/200707/jp/1_web/2/exh/006.html
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熊谷守一は音楽好きで、音楽家の信時潔と交流があり、彼の影響で音の研究にのめりこんだ時期があったということです。
「気ままに絵のみち 熊谷守一」によれば、『絵を描かずに、音の振動数の計算に熱中したのは、長男が生まれる前後のことだ。信時に借りたドイツ人学者の本から興味を持ち、無数にある音の組み合わせの振動数の計算ばかりにとうとう一年ほども費やした。』とあります。
年表によれば、この時期は関東大震災のあった1923年前後に当たります。日本では1925年にラジオ放送が始まっていますので、まだ真空管を使ったオーディオ機器が普及していない時代。
彼はいったいどういう本を使って、どういう計算をしていたのか、興味のあるところです。
ドイツ人学者で音響に関する研究を行なった人物といえば、音色が楽音に含まれる倍音の種類、数、強さによって決定されることを明らかにしたヘルムホルツが思い浮かぶところですが・・・。
(2009/6/2記)
日本経済新聞の『私の履歴書』に熊谷守一が掲載した文章をまとめた「へたも絵のうち」を読んでみたところ、彼が絵を書かずに没頭していた音の研究に関して詳しい記述がありました。
・・・今でも妻がよく話すのは、音の振動数の計算のことです。ドイツのヘルムホルツという学者がこの道の権威で本を書いているのですが、それを信時潔に貸してもらって読んだら、なかなか複雑でむずかしい。音というものは高い低いによって振動数が違う、高い音は波の数が多く、低いのは少ない。二つ以上の音を同時に出すと、その波がいろいろ入り組んでくる。その入り組み方によって、きれいな音やきたない音ができる---とまあ、そういう話なのです。
面白くなって、その音の組み合わせの、それぞれの振動数をいろいろと計算しました。音の高低は何段階にも分かれていて、その組み合わせも無数といっていいほどある。それを順に計算していきました。しかしとりかかると果てしがない。夜静かになってから夜ふかしして計算し続け、毎晩続けても、まだ次から次へと組み合わせはあります。とうとう一年ほど、ほかのことはあまりやらずに、この計算にせいを出してしまいました。このときは妻に、「そんなむずかしい計算ばかりして、生活の計算はいっこうにしない」といわれました。 (「へたも絵のうち」熊谷守一より)
(2009/12/12記)
こちらの自伝もおすすめです。