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美しい演奏の科学 藤原義幸 著 [1:演奏技術およびギター関連]

ヴィオラ奏者による、オーケストラにおけるリズム表現について解説された本。

弦楽四重奏のコンサートに行った際、演奏者たちがアウフタクトでリズムを合わせるのに「スッ!」と観客席に息の音が聞こえるくらい強く呼吸したり、オーバーなアクションで体を揺らしながらお互いのリズムを合わせているのを目にして、「なぜだろう?」と感じていたのですが、この本を読んでその疑問が解けました。

ソロ・ギターの演奏ではリズムが重要ですので、自分の演奏におけるリズムの取り方を考える上でとても参考になりました。


 
<ノート>

・日本人のリズム感
日本の教育は、「強弱がリズム」と誤解させた。演奏における適度なリズムのずれは、むしろ快さや美しさを与える。


・自然なリズム
メトロノームに合わせて奏くことが重要なのではない。自然なリズムが大事。


・個性のある演奏
「対比効果」などを使うことで、個性のある演奏ができる。


・ホルモンの影響
女性ホルモンである「エストロゲン」が<多い男性>と<少ない女性>の音楽的感性が高い。


・あがり対策
演奏前のあがりをおさえるため、「臍下丹田(せいかたんでん)」を意識する。


・アウフタクト
アウフタクトは「準備・始まり」の第0拍。
アウフタクトは、小節の最後にある拍。(英:アップビート)楽器演奏において、発音直前の身体的な緊張の時を指す。演奏において重要な拍。


・時間と意識の関係
意識すると時間が短くなる。長く弾く意識を持つ。


・ウインナー・ワルツのリズム
「ジン・タン・タ」のように2拍目を強調するのではなく、「・タッ・タ」のように1拍目を強く、2拍目を短くする。


・ヴィブラート
ヴィブラートは基音に向かって下からかける。一番高い音をメロディーと感じるため。


(2008/3/16記)


美しい演奏の科学―生きたリズムの表現のために

美しい演奏の科学―生きたリズムの表現のために

  • 作者: 藤原 義章
  • 出版社/メーカー: 春秋社
  • 発売日: 2006/01/01
  • メディア: 単行本