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楽器の物理学 N.H.フレッチャー/T.D.ロッシング著 [3:音響関連]

振動現象の基礎に始まり、様々な楽器の発音現象に対する物理的な解釈について詳細にまとめられた本。

数式や定義についてすべてを理解することはとても不可能でしたが、弦楽器、打楽器等さまざまな楽器を対象に物理的な考察が行なわれており、楽器毎の特徴を比較しながら読むと楽しめます。

ここではギターに関する記述を拾ってみました。


<ノート>


・ギターの振動伝達

①高周波数側:弦→駒→表板
②低周波数側:弦→表板→空洞→響孔(サウンドホール)と弦→表板→側板→裏板

 

・表板の振動モード

周波数によって様々な振動モードをとる。
ギターのヘルムホルツ共振(=最も低い周波数のモード)は90-100Hz。

強い共振モード:多くのギターは100-200Hzの領域に強い3つの共振がある。マーチンD-28では、102Hz、193Hz、204Hz。後者の二つの周波数では、響孔の空気の運動が表板と同じ方向に動くので、音の強い放射が起こる。(0.1)型の運動は、ほとんどのギターで400Hz付近にきわめて強い共振を起こす。

 

・駒への入力と音

駒への入力時に、表板に対して、
①垂直方向に入力すると、アタックが強くて残響がすぐに収束する音。
②平行方向に入力すると、アタックが弱いが残響が継続する音。
③斜め45度に入力すると、①と②が混じった音。

 

(2008/3/16記)


楽器の物理学

楽器の物理学

  • 作者: N,H. フレッチャー
  • 出版社/メーカー: シュプリンガー・フェアラーク東京
  • 発売日: 2002/10
  • メディア: 単行本