ピアノを弾くということ。 - ピアニストは八百屋さん? 花岡千春著 [1:演奏技術およびギター関連]
芸大の先生による音楽論。
ピアノ演奏のテクニックではなく、演奏に対する姿勢や生き方、物の考え方などを中心に書かれています。
音楽演奏をたしなむ自分にとって考えさせられるところが多く、興味深い内容でした。
<ノート>
・演奏するときの心境
演奏するときは、謙虚な気持ちを忘れてはならない。偉大な演奏家でも謙虚な人は聞いていて楽しくなる。
・自分の音
自分の音を聴き、自分の音を作る。
・バックハウスの練習
ある音をポーンと鳴らしては考え、また鳴らしてみることで音を磨くことに専念する。
・脱力の重要性
脱力と自然さは、ピアノに限らずすべての演奏行為において必ず遵守されないといけない要素。
・よい音を作る
うまいピアノを弾く人は、音に補色のような関係を作り出す。音の対比を利用する。例:特定の音色の表出力を高めるため、それまでの音色をできるだけ同種のタッチにまとめておいて、ある部分からまったく変化させる。コントラストをつくる。
・音を切る
音を切る。今わき起こっていた音の運動を、また永遠の静寂に戻す。
・呼吸
自分の息を意識する。
・生活
自分を磨く。
礼をつくす。
志のある人生を送る。こつこつと自分なりの方法で音楽と向き合って前に進もうという心はやはり尊い。自分の中にいろいろな方法論を蓄えていく。
(2009/1/27記)
2009-05-14 19:47