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アコースティック・ギター・マガジン vol.17 (押尾コータローのアルバム録音設定等)  [2:録音技術関連]

特集記事「押尾コータロー」および連載記事「銘器の音 -テイラー-」中にある録音関連の記事をメモしてみました。録音のマイク設定およびマイキングの基本に関する項目がメインです。

 



 

<ノート>

押尾コータローのCD「Dramatic」の録音について(片石喜之氏)

・マイク
基本的にオン・マイク2本とオフ・マイク2本にラインの音を混ぜてバランスをとる。

・オン・マイク
 ①サウンド・ホール寄り:サンケン CU-41(1、2弦のメロディーを録る)
 ②ボディの下方:ショップス BLM3(バウンダリーマイク:板に貼って使用)
  ・・・ボディの下方は、ボディの中で一番倍音がたまっているところなので、これを狙う。音のふくよかさを出したいときにこのマイクの音を足していく。

・オフ・マイク
 ノイマン M-149×2本

・ライン
①ピエゾ:ボディ・ヒットの音をダイレクトに拾う。6弦を弾きながらボディも同時に叩く奏法(パーム・ウィズ・ネイルアタック)は、ピエゾの音を足すと迫力が出る。

②マグネット:完全にタッピングだけでメロディーを弾くようなフレーズの時に足す。マグネットからの出力を足さないと、メロディーが立ってこない。

 

サンケン CU-41
http://www.sanken-mic.com/product/product.cfm/3.5000700

ショップス BLM3
http://www.schoeps.de/E-2004/boundary-layer.html#blm03c

ノイマン M-149

http://www.neumann.com/?lang=en&id=current_microphones&cid=m149_description


 

◎銘器の音 ~テイラー~ より


・マイクの設定
オンマイク AT4060
オフマイク AT4060
アンビエントマイク AT4050

・マイクの音の混合割合
オンマイク=100%
オフマイク=70%
アンビエントマイク=50%

マイキングの基本

・基準点
 サウンドホールの中心をプレイするのに邪魔にならない距離・・・げんこつ一個分と少し・・・から狙う。ここを基準に下記①~③の方向にマイクを動かしてアレンジを考える。

①横方向:
A.マイクを基準点からネック寄りに平行移動
例:ストロークで5~6弦のパワーが立ちすぎてしまう時やアルペジオでメロディー・ラインとなる1~3弦が聴きにくい時。

B.マイクを基準点からブリッジ方向に平行移動
例:音に暖かみが欲しい場合。

②縦方向:
マイクを1弦~6弦側に移動する。

③マイクの角度:
マイクの角度を変える。

※マイクを移動する際は、いったん大きく動かして音がどう変化するかを十分に理解し、その後動かし過ぎたと感じた場合は基準の位置に戻していくようにすると、移動による効果を把握しやすい。

 


 

 

アコースティック・ギター・マガジン VOLUME17―季刊 (17) (リットーミュージック・ムック)

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: リットーミュージック
  • 発売日: 2003/07
  • メディア: ムック