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アコースティック・ギター・ブック 4(1996年)(『おとを録る』) [2:録音技術関連]

 

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ギタームック「アコースティック・ギター・ブック 4」に収録されている、ギターの録音についての特集記事。(タイトルは『おとを録る』)

初心者向けの録音機として、テープレコーダー、MDレコーダーが、高級機としてDATを使ったデジタル・マルチ・レコーダー(ALESIS ADTATxt、価格はなんと50万円!)が紹介されています。

この本が世に出てから現時点で13年が経過しましたが、その間にレコーダーとデジタル音源編集に関する環境は大きく向上した一方で、編集用のパソコン、録音用のマイクやデジタル録音機器の価格は大幅に低下しています。

当時と比べれば恵まれた環境にいるわけですから、ちょっと頑張ればいい音が録音できるのではないか・・・と考えたのが、当ブログを立ち上げるきっかけのひとつでもあります。


<ノート>

・マイクでギターを狙う位置
1.サウンドホールの少しネック寄り。(17フレットあたり)
2.ブリッジのやや下の位置をターゲットに、下側から狙う。

・南こうせつのアルバム・レコーディングのために来日していたナシュビルのレコーディング・エンジニア、パット・マクマキン(Pat McMakin)のコメント

できるだけEQやエフェクトを使わず、生の音で録る。
ほんわかした音ではなく、アグレッシブにガッツのある音を録るようにしている。

マイクは一本だけ使う。ボディの右手の方からサウンドホールに対して斜めにセットしてあまりEQをかけないで、できるだけストレートに録る。低音が録りたければ低音の方に、高音が録りたければ高音の方にマイクを向ける。

良い音を録る最も基本となるのは、まず良いギターであること、そしてそれをプレイするギタリストの腕が良いこと。

ギタリストはきれいな音を出せるように練習すること。リズムを刻むときは単純にして、しかもきれいにはっきりと音が出るように練習すること。

アコースティック・ギターを録るアイデアは、1970年代のジェームス・テイラーの音から来ている。音質そのものが気に入っている。良い音が出るということは、彼のはっきりした弾き方にあると考えている。


 ・ ・ ・

→ジェイムス・テイラーの音に関しては、別ページにある「エンジニア直伝!レコーディング・テクニック大全」の中でエンジニアの中村文俊氏が同じく良い音のCDとしてジェイムス・テイラーの「彼女の言葉のやさしい響き(Something in the Way She Moves )」のギターの音を紹介しています。

『アルペジオがざくざくした感じの音にしてあるんですけど、歌の邪魔を全然していない。歌を邪魔しないでこれだけクセのある音が出せるのは、なかなかすごいことだと思います。響いた感じはしないし、どちらかと言えばドライなサウンドですね。フィンガリング・ノイズも、良い感じで出ています。この曲の録音自体は新しいのですが、昔のアコギの音はこういうざくっとしているのが多いんですよね。オーバーEQしてるんじゃないかっていうくらい、作り込んであります。』


 

「彼女の言葉のやさしい響き(Something in the Way She Moves )」が収録されているアルバム(ジェイムス・テイラー・グレイテスト・ヒッツ)

ジェイムス・テイラー・グレイテスト・ヒッツ(紙ジャケット仕様)

ジェイムス・テイラー・グレイテスト・ヒッツ(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: ジェイムス・テイラー,Dozier,Holland,キャロル・キング
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2006/12/27
  • メディア: CD
  •   ↑

(試聴可)

Greatest Hits

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Wea Japan
  • 発売日: 2004/06/08
  • メディア: CD

  

ジェイムス・テイラー・グレイテスト・ヒッツ(紙ジャケット仕様)

ジェイムス・テイラー・グレイテスト・ヒッツ(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2006/12/27
  • メディア: CD

 

James Taylor: Greatest Hits

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Wea Japan
  • 発売日: 1994/10/26
  • メディア: CD