トコトンやさしい音の本 戸井武司著 [3:音響関連]
音に関する基本的なイメージづくりに役立つ本。
音楽に関する記述はそれほど多くありませんが、オーディオや楽器の音に視点が偏りがちな自分としては、逆に音楽以外にもいろいろな分野に「音」が関係していることを知り、視野が広がりました。
<ノート>
・人に聞こえる音
成人の耳では、4kHz前後の感度が最も高い。
聴感特性のため、低周波数は大出力を出さないと聞こえない。
・聴力検査
耳の健康診断ではオージオメーターを使用。1kHzで30dB、4kHzで40dBが聞き取れるかどうかで判断する。40代ぐらいから徐々に老人性難聴が進行する。
・低周波数の音
低周波数の音は通常は聞こえない。この周波数帯の音の音圧が高いと、不安や不快な感情を引き起こす。
・音色の解析
周波数分析や時間変動など、いろいろな側面から音を客観的に調べる。
・うなり
物体の持つ2つの近接した固有振動数により、うなりが発生する。(日本の鐘)西洋の鐘はうなりが小さくなるように調整されている。
・音の分析
音響固有周波数や音響モードなど、空間の音響特性を調べる。
・構造と音響の連成現象
音圧により構造物が加振され振動が生じる場合や、逆に振動により音響空間が影響を受ける場合を指す。
・音の利用
探針、探傷、移動(超音波モータ)、接着(超音波溶接)、霧の発生、破壊(超音波治療)、洗浄(超音波洗浄)
・快音化
音圧および周波数帯のバランスをとることで、快音化を図っている。車内の音、各種機器の音など。
・音の伝達
固体伝播と空気伝播がある。固体伝播で固体中を伝播した音が、最終的に音を放射しやすい部分で空気と接触して空気伝播の音になる。
・床の響き
コンクリートと木の床では響きが異なる。木の方が低周波数域の音圧が高くなる。
(2009/4/11記)
トコトンやさしい音の本 (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)
- 作者: 戸井 武司
- 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
- 発売日: 2004/10
- メディア: 単行本