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オーディオマニアが頼りにする本① 桝谷 英哉著 (1982年)  [4:オーディオ関連]

 

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オーディオの選択および理論について考察した本。

オーディオの世界にまかり通る珍説について解説を試みています。主張に対する論理的な裏づけが足りないと感じられる部分があったり、比喩の表現に?と思わせるところが見受けられますが、他のオーディオ本にはない切り口で音に対して切り込んでいる内容に関しては、「こういう見方もあるのか」と気づかされるものがありました。



<ノート>

・大口径のスピーカー
口径が大きくなければ低音がでない、という考えは誤り。あまりにも口径が大きいと、振動部の慣性が大きすぎるために信号が止まってもコーンが震え続けるため、残響が大きく、ボンついた低音になる。


・良い音にするためのアプローチ
自分の持っている装置の悪い音をひとつひとつ無くしていくのが、良い音へのアプローチである。


・リスニングルームの特性
リスニングルームはデットに近い方が有利。音源には残響が含まれている。部屋の吸音材を増やすと、低音の締まりが良くなる。


・真空管の音
真空管はインピーダンスが大きいため、より低い周波数から影響が出始める。また、真空管を作動させるためには300-500Vの高圧電流と、それに応じたコンデンサが必要となる。


・トーンコントロール
トーンコントロールの回路は音を濁らせる。


マルチスピーカーの回路
マルチスピーカー作動させるために音域を分割しようとすると、コンデンサとコイルの影響で位相がずれる。


・機器の選び方
ユーザーがオーディオの本当の中身について勉強して商品の良し悪しを自分で見分ける力を持つ以外に、有効なコンポ選びの方法はない。

(2009/4/11記)


オーディオ・マニアが頼りにする本〈1〉

オーディオ・マニアが頼りにする本〈1〉

  • 作者: 桝谷 英哉
  • 出版社/メーカー: 青年書館
  • 発売日: 1988/04/15
  • メディア: -