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音響エレクトロニクス 大賀 寿郎 斎藤 繁実 鎌倉 友男 武田 一哉 共著 [3:音響関連]

音響学は音に関わる学際的な研究分野。物理・化学から工学、医学、そして心理学まで多方面にまたがる極めて広範囲で学際的な学問体系です。この本では、音響の基礎である振動や波動の解説から音響の応用分野まで、数式を交えながらまとめられています。

音響や回路について物理的な裏付けを確認しながら理解したい方に向いていると思います。(わたしにはちょっと難しすぎました・・・。)

音響機器の設計についての解説はしっかりしていて、オーディオの解説本をむよりこちらの方が理解しやすいと感じます。



<ノート>

・ギターの音域
100Hz~800Hz程度。人の声もほぼ同じ周波数帯域に含まれる。


・バイオリンの機構
弦が弓によって表板と平行の方向に励振されると、駒は全体が回転運動する。したがって、駒の両足は表板を逆位相に励振することになり、そのままでは音響反射率が低下する。駒の右足にある魂柱がこれを救済する。
柔らかい表板と裏板とが剛い魂柱で支えられているので、右足付近は振動しにくい。駒はこれを支点にして左足で表板の振動を励起している。左足の付近にある力木は表板の剛性を適度に増大させ、振動の伝達効率を上げる。このため魂柱の微妙な位置は楽器の音量や音色を大きく支配する。

(2009/5/1記)


 

音響エレクトロニクス―基礎と応用

音響エレクトロニクス―基礎と応用

  • 作者: 大賀 寿郎
  • 出版社/メーカー: 培風館
  • 発売日: 2005/05
  • メディア: 単行本