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いい音が聴きたい―実用以上マニア未満のオーディオ入門 石倉俊著 [4:オーディオ関連]

翻訳・随筆家が本業の著者によるオーディオ解説。

全体観としてオーディオの音を整えるための基本姿勢は理解できたが、具体的な機器選定の段階になると予算しか判断基準が示されていないので不親切であると感じました。音の表現に関しても主観的であいまいなので、もう少し科学的な根拠に基づいて言葉を選んで欲しい、というのが率直な感想です。音作りのためのヒントとなりそうな項目をチェックしながら読んでみました。

 


 


<ノート>

・オーディオ機器の選定
オーディオの音を決定するのは「スピーカー」。他の機器はスピーカーで音を出すための手段。


・イヤホンは大事(B&OのA8を著者は使用)


・コンセントの接続
コンセントの接続によって音が変わる場合がある。コンセントは左側がアースに接地している。コンセントの切れ込みが少し長くなっている。オーディオ機器もどちらかがアースに接地されている。


・ヨーロッパの音
ヨーロッパの技術者は“原音再生”ではなく、「それらしい」音を目指した。例:タンノイ(英)


・スピーカーの設置と音の関係
壁近くにスピーカーを置くと低音が強調される。角度を内振りにすると、楽器の配置が分かり易くなるが、間隔が狭いと陰にこもった重苦しい音になる。
スピーカーの間隔を広げると、音がすっきりしてくるが、さらに間隔を広げていくと、やがて中央部の音が薄くなる「中抜け」を起こす。
壁に対して平行にセット:オープンで明るい音
壁に対して内振りにセット:明晰な音


・魂のこもった音
「魂のこもった音」とは、歌やソロ楽器の音に込められた微妙な抑揚がよく分かる音。中域の微妙な表現ができるもの。


・ウォークマン
ウォークマンを電池で作動させる場合、電源からの微小なノイズの影響がない。


(2009/2/8記)


 


 

いい音が聴きたい―実用以上マニア未満のオーディオ入門 (岩波アクティブ新書)

いい音が聴きたい―実用以上マニア未満のオーディオ入門 (岩波アクティブ新書)

  • 作者: 石原 俊
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2002/05
  • メディア: 単行本