プロが答えるサウンド&レコーディングQ&A百問百答 [2:録音技術関連]
「サウンド&レコーディング・マガジン」に読者から寄せられた質問と回答を一冊にまとめた本。
自分はレコーディング機器をたくさん持っているわけではないので、録音関連の機器に関してはすぐに役立つと思える記事は少ないのですが、レコーディング用語で疑問に思った言葉がたくさん解説されており、録音に関する辞書代わりに使っています。
まじめな回答の合間に挿入されているヤマダリツコのイラストが笑えます。
プロが答えるサウンド&レコーディングQ&A百問百答 (リットーミュージック・ムック)
- 作者:
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2001/06
- メディア: 単行本
最新版は構成が少し変更されて「プロが答えるサウンド&レコーディングQ&A百問百答+20」となっています。
プロが答えるサウンド&レコーディングQ&A百問百答+20 (リットーミュージック・ムック―サウンド&レコーディング・マガジン)
- 作者:
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2006/02
- メディア: 単行本
ギター・レコーディング・ハンドブック ― ワンランク上のギター録音テクニック集 (リットーミュージック・ムック) [2:録音技術関連]
アコースティック・ギターやエレクトリック・ギターの録音にテーマを絞って解説した本。
本の企画コンセプトがよく練られており、調べたいことがすぐ探し出せるようになっています。ギターの録音を考えているのであれば、手元に置いておきたい一冊です。
録音のプロセスに関してはあっさりとしか解説されていないので、実際の録音現場についてもっと詳しい解説を読みたいのであれば「エンジニア直伝!レコーディング・テクニック大全」をチェックしてみてはいかがでしょうか。
ギター・レコーディング・ハンドブック―ワンランク上のギター録音テクニック集 (リットーミュージック・ムック)
- 作者: 中村 文俊
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2005/03
- メディア: 単行本
エンジニア直伝! レコーディング・テクニック大全 リットーミュージック・ムック ― サウンド&レコーディング・マガジン [2:録音技術関連]
エレキギター、アコースティックギター、ドラム、ボーカルの録音方法について、CDによるサンプル音源や写真を交えた詳細な解説を交えながら詳しく紹介した本。
いわゆるノウハウの解説本とは異なり、レコーディングの現場の雰囲気が伝わってくる紙面構成が新鮮。
これまでギターの録音のプロセスがいまいちピンと来なかったのですが、この本に出会ってからやっと具体的なイメージがつかめたように思えます。
付録CDにより録音条件を変えた時の音の変化を実際に確認できる点もいいところ。楽器の録音を考えているのであれば、チェックしておきたい一冊。読み物としても楽しめます。
自分の場合、特にアコースティック・ギターを録音する際のマイクの位置を決める際に、とても参考になりました。
ギターの録音を考えているのであれば、ぜひチェックしておきたい一冊です。
録音関連の内容が盛りだくさんで、<ノート>に書ききれないので、<ノート>を省略させていただきました。
エンジニア直伝!レコーディング・テクニック大全 (リットーミュージック・ムック―サウンド&レコーディング・マガジン)
- 作者:
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2003/06
- メディア: 大型本
どうしてもギターが上手くならない人のための本 四月朔日義明著 [1:演奏技術およびギター関連]
エレキギターとフォークギターについて、ギターを上手く弾くためのコツを解説した本。
特に正しいフォーム(構え方、左手の押さえ方、弾き方など)を知ることに重点を置いています。例えのイメージが分かりやすいので、自分のフォームを見直す参考になりました。
<ノート>
・ギターを弾く時の姿勢
自然な姿勢で。左肩が下がらないように。左腕のわきは野球のボールがはさまるぐらいに。
・押弦時の力
親指でネックを押す力と人差し指~薬指を押す力が同じになるように。
・フレット
フレットバーの近くで押さえる。
・ピック弾き
力の入れ具合は、ほうきで床を掃くときのように最低限の力で。弦の力に負けるぐらいの力でピックを持つ。初心者のうちはミディアム以下のソフトタイプのやわらかいピックがおすすめ。
・スリーフィンガーのピッキング
スリーフィンガーの場合、指の全関節を使うことでスムーズかつスピーディーなピッキングにつながる。ピッキングの時は歩いている時の足の関節の動きに似ている。指の第二関節が膝の役割。人差し指と中指の動き方は、「弦の上を2本の指で走っている感じ」
(2009/5/1記)
どうしてもギターが上手くならない人のための本 ワタヌキヨシアキ・編著
- 作者: ワタヌキ ヨシアキ
- 出版社/メーカー: 自由現代社
- 発売日: 2006/03/06
- メディア: 楽譜
ギター・マガジン アコギがうまくなる理由 ヘタな理由 田光 マコト著 [1:演奏技術およびギター関連]
アコースティック・ギターを演奏技術を高めるために、要領よく練習するための方法を集めた本。
インストロメンタルのソロ・ギター奏法に関しても章を割いて解説されています。
右手・左手とも「なぜ悪い演奏なのか」を具体的にイラストで説明し、それをふまえてうまく演奏するコツが示されているので説得力があり、ギターを手に取って練習したくなる内容だと感じました。
自分の場合は、特にソロ・ギターにおける右手のピッキングとチョーキング、ビブラート、タッピング奏法の解説が役立ちました。
理屈でものを覚えるのが得意な理系人間の性格に向いているのではないでしょうか。
(2009/5/9記)
ギター・マガジン アコギがうまくなる理由 ヘタな理由(CD付き) (リットーミュージック・ムック)
- 作者: 田光 マコト
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2008/01/17
- メディア: ムック
新・ギター秘密のテクニック 小林雄三・坂崎幸之助・中川五郎・花房孝典 共著(1986年) [1:演奏技術およびギター関連]
ギター初心者向けのギター演奏に関するレクチャーからギターに関する雑学まで、幅広くギターに関する情報を集めた本。
前半はギター演奏のノウハウ、後半はギターにまつわる情報に構成が分かれていますが、自分にとっては、後半の雑学の部分がおもしろいと感じました。出版が1986年であり、出版当時の雰囲気を感じさせるイラストや文章に時代を感じます。
自分はヤングフォーク別冊の「フォークギター教室(1979年)」を使って練習していたので、そこに使われていた小林雄三氏発案の「YUMIN譜」が出てきた時は「これ、使ったなぁ!」と思わず口走ってしましました。
【YUMIN譜の解説】
<ノート>
・ギター上達のための2条件
①よいギターを手に入れ、必ず毎日弾くこと。
②よい演奏をよく聞く。
・クラッシックギターか、フォークギターか
コードを多く使う弾き語り用には、フォークの方がよい。クラッシックとフォークの両方の分野のギターを弾いてみたい人は、マーティンの0-16NYモデルがおすすめ。
・ベースが大切
ベースはコードフォームの中で一番低い根音。ベースはサウンドの土台。
・サムピックは始めから使う
サム・ピックは最初から親指に付けて練習した方がよい。市販のものは固すぎたり先端が長すぎたりするものがほとんどなので、紙やすりで削ったりして弾きやすい厚さ・長さに整える。
・タブ譜とYUMIN譜(ユーミン譜)
YUMIN譜は弾き語り用ギター譜として、小林雄三氏が考案したもの。コードを押さえるダイヤグラムと右手の弾き方を示したYUMIN譜から構成される。
・バレーコードの攻略
左手親指の位置に注目。コードの種類によって、ネック裏の親指の位置が変わってくる。
・弾き語りのコツ
まずやさしい曲をきっちり覚えて自信をつけることが大切。それからだんだん難しい曲へシフトしていく。
・クリシェ
同じコードが続く時、そのコードの中の音をひとつだけ変化させて色をつけるアレンジのこと。(例:ビートルズの「ミッシェル」)
・ソフィアとパブロのギター
(有)パコ・コーポレーションがプロデュースしたブランド。特にマーティンのオールドD-28のレプリカがすばらしい。(MD-2500、価格25万円)
・ニューヨークのギターショップ
西48丁目にギターショップが集まっている。マンドリン・ブラザーズ、マット・ユマノフ・ギターなど。
・名古屋
日本のギター製造は名古屋から始まった。バイオリンメーカーが作り始めたのではないか?
日本のギターの80%は名古屋で作られている。
・オベーション
カーマン・コーポレーションによるギター。ヘリコプター用のグラスファイバーを開発していたが、振動が多すぎて使い物にならなかった。これをギターに応用した。ラウンド・バックのギターは音の乱反射をなくして、締まった音質になる。
(2009/4/18記)
誰も教えてくれなかった 新・ギター秘密のテクニック―たちまちうまくなる110項目 (BMライブ・ブックス (5))
- 作者: 小林 雄二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1986/01
- メディア: 単行本
「スギ一般材からの高性能音響材料の製造」 京都府立大農学部 矢野浩之氏(1996年) [1:演奏技術およびギター関連]
ギター用の木材について、楽器用途として用いる際、どのような特性に優れているのか要因を抽出し、解析を行なった報告書。
ギターに適した材料の諸物性がまとめられており、理解しやすい内容です。
【 目 次 】
<ノート>
・楽器材料にとって重要な音響特性
①密度(比重)
密度が小さいほど振れやすく、外部振動が伝わりやすい。
②ヤング率
③比ヤング率(E/γ):ヤング率を密度で除した値。
共振周波数fr(Hz)は、比ヤング率が大きいほど高くなる。
④内部摩擦(tanδ)
tanδの小さな材料は、外から与えられたエネルギーが材料中で熱エネルギーに変換されにくいため、放射音の減衰が遅く、共振がシャープで音響変換効率に優れる。周波数帯の広い複合音では、時間の経過にともなって高周波側から早く減衰し、低周波成分が優勢な音に変化する。
⑤ E/G値
ギター表板材料は、経験的にγ、E、tanδが小さい材料ほどギターの音量が大きくなる傾向がある。
・音の三要素
①大きさ
②高さ
③音色:音を周波数解析して得られる。音響スペクトルのピーク数、周波数、強度分布および各周波数の位相関係による特徴づけられる。
例:複雑な倍音構造を示す方が“豊かな音”。
バイオリンでは、3~4kHzのレベルが高いと明るい音、低音のレベルが高いと暗い音になる。
・内部摩擦の周波数依存性
空隙率の高い低比重材では、共振周波数が低周波数側に移り、耳障りな高周波側での音響放射を抑制する。
・木の音響特性
木目に対して平行方向と垂直方向のヤング率比は10~20倍(針葉樹の場合)。広葉樹はこの値がより小さくなる。
木材は動的ヤング率が大きいものの、鋼やアルミにくらべて内部摩擦が大きい。木材は振れやすく振動応答は速いが、その割に振動吸収が大きい。アルミハニカム材もtanδが大きくなる。
木の細胞壁中のミクロフィブリルの配向が音響特性に影響する。フィブリル傾角が大きいと、動的ヤング率が小さく、tanδが大きい。トウヒ属はフィブリル傾角が最も小さい。→叩いた時の音が高くなるため、タッピングによる材料選別の目安となる。
木材は吸湿するとEが減少、tanδが増加する。
・ベイスギ(米杉)とトウヒの比較
米杉はトウヒよりtanδが小さい。これは心材成分(ポリフェノール系成分)の影響。マトリックス構成成分間の凝集力を高めている。ローズウッドも心材成分によりtanδが大きく減少している。
・カエデ材
カエデは放射組織によりtanδが大きい。バイオリンの裏板には好ましい材料。
・ブラジリアンローズウッドとインディアンローズウッドの比較
ブラジリアンはインディアンに比べて比重が10%ほど大きく、繊維方向のtanδが20%小さい。
・木材の化学処理
内部摩擦を低下させることを目的として、化学処理を行なった。木材細胞壁を主たる反応の場とし、木材構成成分間の凝集力を増大させる化学処理が有効である。(サリゲニン処理、ホルマール化処理)
・木材の積層化
繊維方向の比ヤング率の増大。
低密度の木材を芯材とし、高密度・高弾性の木材を表層に配置させてサンドイッチ状態にして材が有効。
・裏板木材と表板木材の違い
裏板は、表板に比べて以下の点が求められる。、
①比重が大きい。
②動的ヤング率が大きい。
③tanδは小さい。
このうち①と②は振動しにくい方向になる特性であるが、一度振動を与えられると振動エネルギーが吸収されにくい性質を持つ。
(2008/2/9記)
【この本は市販されておりません】
図解雑学 音のしくみ 中村健太郎著 [3:音響関連]
タイトルの通り、音に関する基本的な事柄がイラストやグラフを交えながら解説されています。
音の世界は専門用語が多く、文章だけではなかなか具体的なイメージが出てこないので、音のイメージ作りをするうえでこういう本が手元に一冊あると助かります。
<ノート>
・超音波と低音
超音波は直進性が高く、エネルギーを集中できる。低音は回折しやすい。
・ピッチ
ピッチとは、耳で聞き分けられる音の高さ。振幅の繰り返しパターンで決まる周波数に依存する。
・音の合成
自然な音にするために、適度に音を揺らしたり、倍音を少しだけずらしたりする。
・人間の耳の特性
①小さい音:聴神経が基底膜を助長するため、基底膜が高感度に反応する。
②大きい音:基底膜の反応が鈍い。
人間の聴覚範囲はかなり広い。ただし、音圧が10倍になったからといっても、感覚的には数倍にしか聞こえない。
・FMとAM
AMは周波数が一定で振幅が変化する。FMは振幅が一定で周波数が変化する。
・超音波洗浄の原理
振動により発生した空洞に水が流れ込んだ時に気泡が壊れる。この瞬間に大きな力が発生する。(キャビテーション)
・ロードノイズ
最近のアスファルト舗装道路では空隙が多く、音を吸収するため、ロードノイズが小さくなる。
(2008/2/10記)
読めば上達!!ギタリストの盲点 津本幸司著 [1:演奏技術およびギター関連]
プロのエレキギタリストによるエッセー集。
具体的な演奏技巧に関する記述はあまり載っていません。ギター演奏に対する考え方については、気になる言葉が多いと感じました。
<ノート>
・プロとアマの違い
プロとアマの違いはビジネスの問題であって、みな音楽家としては同じ。
・練習の振り分け
課題曲中にあるリズムギターとソロギターの演奏時間の割合に合わせてリズムギターとソロギターの練習時間を振り分ける。ソロギターにばかりかかりきりにならない。
・手の大きさ
欧米人の中には手が大きすぎて小回りがきかないと嘆く人もいる。
・ストレッチ
風呂の中で指のストレッチをすることで、指をやわらかくする。
・他人の演奏に対するコメント
受け手の気持ちを考えてコメントする。言っていいことと悪いことがある。
・人前での演奏
聴衆が何を求めているか?によって、その場にふさわしい音楽が異なる。
・音を出す
気をつけるべきポイントは「押さえる」「弾く」「伸ばす」「消す」の4つ。
・オンビート
オン・ビートに解決音が来ると、演奏が幼稚に聞こえる。
・音質を決める要素
アンプのクオリティーより技術のクオリティーの方が音質に与える影響が大きい。
・自分育成プログラム
自分がやりたいことを実現するために、自分の中のゴールを決める。ゴールから逆算して、「今」すべきことを見つける。
(2008/11/2記)
綾戸智絵ジャズレッスン ― 課外授業ようこそ先輩・別冊 [1:演奏技術およびギター関連]
NHK番組「課外授業ようこそ先輩」の番組内容をそのまま一冊の本にまとめたもの。
小学校六年生に対して「Let It Be」の歌を教えることを通して、音楽の楽しさを伝えています。臨場感をうまく伝えており、一気に読み通してしまいました。
<ノート>
・三声
【メロディー】+【高音部】もしくは【低音部】
・手を叩く
リズムを取るときに手を叩く場合、両手をつけるのではなく、手を離すことを考えて叩くようにする。
・だいじなこと
音楽をやりながら熱くなる過程が大事。これが起こらないと楽しいことは何も起こらない。
・アクセント
アクセントは「深く掘る」イメージで。
・リラックス
リラックスすると、音楽が体にスーッと入ってくる。
・毛穴で音を聴く
耳で音楽を聞いていると、音が首から上にしか入らない。毛穴で音楽を聴くと、五感以上のことを感じながら聞ける。「意識のない無意識」で音楽を聴いてほしい。
・父の言葉 「売れる音楽屋になれ」
『人を楽しませることが、いちばん大事なこと。でも勉強、練習はなるべく人さんの見えんところで隠れてしろ。』
(2008/10/15記)
綾戸智絵ジャズレッスン―課外授業ようこそ先輩・別冊 (別冊課外授業ようこそ先輩)
- 作者:
- 出版社/メーカー: KTC中央出版
- 発売日: 2000/10
- メディア: 単行本
ピアノを弾くということ。 - ピアニストは八百屋さん? 花岡千春著 [1:演奏技術およびギター関連]
芸大の先生による音楽論。
ピアノ演奏のテクニックではなく、演奏に対する姿勢や生き方、物の考え方などを中心に書かれています。
音楽演奏をたしなむ自分にとって考えさせられるところが多く、興味深い内容でした。
<ノート>
・演奏するときの心境
演奏するときは、謙虚な気持ちを忘れてはならない。偉大な演奏家でも謙虚な人は聞いていて楽しくなる。
・自分の音
自分の音を聴き、自分の音を作る。
・バックハウスの練習
ある音をポーンと鳴らしては考え、また鳴らしてみることで音を磨くことに専念する。
・脱力の重要性
脱力と自然さは、ピアノに限らずすべての演奏行為において必ず遵守されないといけない要素。
・よい音を作る
うまいピアノを弾く人は、音に補色のような関係を作り出す。音の対比を利用する。例:特定の音色の表出力を高めるため、それまでの音色をできるだけ同種のタッチにまとめておいて、ある部分からまったく変化させる。コントラストをつくる。
・音を切る
音を切る。今わき起こっていた音の運動を、また永遠の静寂に戻す。
・呼吸
自分の息を意識する。
・生活
自分を磨く。
礼をつくす。
志のある人生を送る。こつこつと自分なりの方法で音楽と向き合って前に進もうという心はやはり尊い。自分の中にいろいろな方法論を蓄えていく。
(2009/1/27記)
カッコよく弾く! アコースティック・ギター 谷川史郎著 [1:演奏技術およびギター関連]
アコースティック・ギターの教則本。
演奏だけでなく、ライブでのパフォーマンスに関しても細かな記述があり、参考になりました。
<ノート>
・ステージでの演奏
ステージでは客席を見て、オーディエンスに対して演奏するようこころがける。
MCはパフォーマンスの第一歩。
ステージのアクションはおおげさになるぐらいで。
・Fコードの押さえ方
Fを弾くときは、指をまっすぐにせず、ちょっと「くの字」にする感じで、指の横側が当たるようにする。
・上手(かみて)と下手(しもて)
上手(かみて)は客席からみてステージ右側、下手は逆。
(2008/11/2記)
カッコよく弾く!アコースティック・ギター (プロフェッショナル・パフォーマンス)
- 作者: 谷川 史郎
- 出版社/メーカー: 音楽之友社
- 発売日: 2001/04
- メディア: 楽譜
楽の匠 - クラシックの仕事人たち 大山真人著 [1:演奏技術およびギター関連]
「音楽の友」に連載された、クラシックの裏方達の取材をまとめたもの。
字幕制作家、コンサートドレス・コーディネータなど、音楽の舞台の裏にはたくさんの人が関わっていることがわかります。ここではギター制作家の今井氏のコメントを拾ってみました。
<ノート>
●ギター製作家 今井勇一
・中出輝明の工房出身。
・職人は「腕と根性と誇り」を持つ。
・アグアド、ラミレス、ハウザーの形をコピーしても、音に驚くほど差が出た。
・弾き手の考える音楽を実現する楽器。ギターは演奏家の道具と考える。
・いい楽器の条件は、「音量、伝達性、弾きやすさ」。それ以上の音質や音楽性は、弾く側の裁量。
・ギターはいいプレーヤーが弾くと15年から20年あたりから最高に鳴りはじめる。
(2008/9/23記)
バイオリン おもしろ雑学事典 奥田佳道著 [1:演奏技術およびギター関連]
ギターもバイオリンも同じ弦楽器なので、楽器構造と音の関係についてチェックしながら読んでみました。
バイオリンは歴史のある楽器ですので、時代の要求に合わせて音質や構造が変化していることを初めて知りました。
<ノート>
・音をずらす
音楽的効果を考えて、多少音程をずらす。
コンチェルトなどで、わざと音程をほんの少し高めにとって、オーケストラに沈んでしまわないようにする。
・バイオリンの発達
バイオリンはサロン楽器からホール楽器へ改造された。
①強い音を出すため、張力を高める設計に変更。ネックに角度がついた。
②駒が高くなった。
③バスバーが大きくなった。
④魂柱が太くなった。
⑤ピッチが高くなった。
・バロックバイオリンとモダンバイオリン
バロック・バイオリンは「語る楽器」、モダン・バイオリンは「歌う楽器」
・ニスの役割
ニスを塗ることで音の振動を際立たせる。
(2008/3/4記)
楽器の物理学 N.H.フレッチャー/T.D.ロッシング著 [3:音響関連]
振動現象の基礎に始まり、様々な楽器の発音現象に対する物理的な解釈について詳細にまとめられた本。
数式や定義についてすべてを理解することはとても不可能でしたが、弦楽器、打楽器等さまざまな楽器を対象に物理的な考察が行なわれており、楽器毎の特徴を比較しながら読むと楽しめます。
ここではギターに関する記述を拾ってみました。
<ノート>
・ギターの振動伝達
①高周波数側:弦→駒→表板
②低周波数側:弦→表板→空洞→響孔(サウンドホール)と弦→表板→側板→裏板
・表板の振動モード
周波数によって様々な振動モードをとる。
ギターのヘルムホルツ共振(=最も低い周波数のモード)は90-100Hz。
強い共振モード:多くのギターは100-200Hzの領域に強い3つの共振がある。マーチンD-28では、102Hz、193Hz、204Hz。後者の二つの周波数では、響孔の空気の運動が表板と同じ方向に動くので、音の強い放射が起こる。(0.1)型の運動は、ほとんどのギターで400Hz付近にきわめて強い共振を起こす。
・駒への入力と音
駒への入力時に、表板に対して、
①垂直方向に入力すると、アタックが強くて残響がすぐに収束する音。
②平行方向に入力すると、アタックが弱いが残響が継続する音。
③斜め45度に入力すると、①と②が混じった音。
(2008/3/16記)
美しい演奏の科学 藤原義幸 著 [1:演奏技術およびギター関連]
ヴィオラ奏者による、オーケストラにおけるリズム表現について解説された本。
弦楽四重奏のコンサートに行った際、演奏者たちがアウフタクトでリズムを合わせるのに「スッ!」と観客席に息の音が聞こえるくらい強く呼吸したり、オーバーなアクションで体を揺らしながらお互いのリズムを合わせているのを目にして、「なぜだろう?」と感じていたのですが、この本を読んでその疑問が解けました。
ソロ・ギターの演奏ではリズムが重要ですので、自分の演奏におけるリズムの取り方を考える上でとても参考になりました。
<ノート>
・日本人のリズム感
日本の教育は、「強弱がリズム」と誤解させた。演奏における適度なリズムのずれは、むしろ快さや美しさを与える。
・自然なリズム
メトロノームに合わせて奏くことが重要なのではない。自然なリズムが大事。
・個性のある演奏
「対比効果」などを使うことで、個性のある演奏ができる。
・ホルモンの影響
女性ホルモンである「エストロゲン」が<多い男性>と<少ない女性>の音楽的感性が高い。
・あがり対策
演奏前のあがりをおさえるため、「臍下丹田(せいかたんでん)」を意識する。
・アウフタクト
アウフタクトは「準備・始まり」の第0拍。
アウフタクトは、小節の最後にある拍。(英:アップビート)楽器演奏において、発音直前の身体的な緊張の時を指す。演奏において重要な拍。
・時間と意識の関係
意識すると時間が短くなる。長く弾く意識を持つ。
・ウインナー・ワルツのリズム
「ジン・タン・タ」のように2拍目を強調するのではなく、「ジ・タッ・タ」のように1拍目を強く、2拍目を短くする。
・ヴィブラート
ヴィブラートは基音に向かって下からかける。一番高い音をメロディーと感じるため。
(2008/3/16記)
メイキング・マスター・ギター ロイ・コートナル著 (Making of Master Guitars) -ギターの名器とその制作方法詳説- [1:演奏技術およびギター関連]
有名制作家のギター作品をギターの構造面から詳しく説明している本。
オリジナルは海外の本なので、ギターの構造に関する説明はかなり細かい範囲に及んでいます。
ギターを構成している各部品が音響特性に対して担っている役割が理解できるので、「なるほど!」と感じるところが多々ありました。
<ノート>
●アントニオ・デ・トーレス(1817-1892)
クラッシックギターの構造を確立。スペイン式のネックエンド構造。
●サントス・エルナンデス(1874-1943)
・ギターのブレーシング
下部のハーモニック・バーを表面板の中央の接合箇所に対して90度にするかわりに、ブリッジ方向へ斜めに角度を変えることで、高音弦の領域で表面板の振動する範囲を狭くした。
力強い低音を得ることは比較的容易だが、高音部で同じ力強さを創り出すことは非常に難しい。
●ヘルマン・ハウザー(1882-1952)
ドイツ最高のギター制作家。
・ドーミング
ギターの表面板の上下、左右をドーム状にすることで、表面板を薄くできる。
・ギターの設計
ブリッジの中央領域の力木(の背)が非常に高い。
ブリッジの真下にスプルースの薄板を取り付けた。
→ブリッジのバランスを取り、すべての弦にわたってより良い均等な音質を得るための手段。
●エルナンデス・イ・アグアド
スプルースの表面板は薄く、軽いギター。ブレーシングは高音側を狭くして振動面積を小さくしている。
●イグナシオ・フルタ(1897-1977)
コンサートホールでも鳴る、パワーのあるギター。
・カナダ産の米杉
できたばかりの新しい楽器でもすぐに力強い音を出す傾向がある。木材間で品質がずいぶん異なるため、使いこなしが難しい。非常にもろく、木目に沿って割れやすい。高音部が不鮮明になりやすい。一方、スプルースはその潜在能力を成熟させる(=音が出るようになる)のに、十分な時間を必要とする。
●ローベル・ブーシェ
アーチを切り抜いたハーモニック・バーを使用。
表面板は薄く、一定厚み。バーや力木の寸法を調節して音色を整える方法を採用。
●ダニエル・フレドリッシュ
軽い楽器。タッチに敏感で、ヴィブラートや音色の対比をつけやすい。
●ホセ・ロマニリョス
最良のスプルースのみ表面板に使う。表面板が弦の振動に可能な限り十分に応答するように、厚さをふさわしい寸法に仕上げる。
・スペイン式とヨーロッパ式のギターの違い
スペイン式のギターは非常に軽く作られる。ヨーロッパ式の力木は、表面板を横切る形で作られるので、表面板の共鳴音が高くなる。そのため、低音が制限され、鮮やかさに欠ける音になる。扇形力木にすると共鳴音が低くなる。
・表面板の重要性
表面板がふやけていて“ガッツ”がなければ、そのギターは良くない。板の厚みはサウンドホール上とブリッジ周りで最大約2.75mm。周辺部は薄く約2.0mm。すべては扱うスプルース次第。
・ブリッジ・プレート
今後はブリッジ・プレートを使わない。木目の方向が表面板と交差しているので収縮した際にゆがみが出る。プレートは他の部分と対立関係にある。
== 一般論 ==
・材料
よく乾燥された材料を使う。木材の両端(小口面)からの極端な乾燥を抑えるため、シーラー(目止め材)を使う。
・表面板
表面板に亀裂があると、こぶしで叩いた時に鈍い「ボンボン」とした音に聞こえる。スプルースのギターは多くの場合、2~3年以上経ってから音が大きく好転する。スプルースは材のばらつきが少なく、米杉はばらつきが多い。良い米杉は暖かい音で響きわたり、良くない米杉は高音で特有の線の細い音を出す。
・接着剤
にかわや合成接着剤(タイトボンドなど)を使用する。
ローズウッドは油脂分を含むので、にかわでの接着は難しいが、合成接着剤では強い接着力を発揮する。
・音質
良い楽器は、多彩な音色を生み出すことができ、演奏家の技術にすばやく反応する。
表面板が柔らかいほど基音を出しやすい。基音は指が弦を弾く瞬間に生み出される音で、この最初の音が倍音の範囲を決定し、そして共にその楽器の音質を作り出す。ある程度木を通過する振動を抑制しないと、楽器の音は透明さに欠ける。この制御の加減で音質が決まる。
・サドルと弦
鋭角に弦をサドルに乗せることは、明瞭な音作りのために必須。
サドルの底面は水平でなければならない。
(2008/5/6記)
メイキング・マスター・ギター―ギターの名器とその製作方法詳説
- 作者: ロイ コートナル
- 出版社/メーカー: 現代ギター社
- 発売日: 2003/11/13
- メディア: 楽譜
聞いて、ヴァイオリンの詩(うた) 千住真理子著 [1:演奏技術およびギター関連]
ヴァイオリン奏者 千住真理子のエッセイ。
一度は演奏活動をあきらめながらも、ホスピスでのボランティア演奏をきっかけにして再び演奏活動するようになったエピソードが印象に残りました。また、母親と楽しくのびのびと練習していた様子から、「好きなことを夢中になって行なうことで、知らず知らずのうちに才能を伸ばす」姿勢が大切であることがうかがえます。
ヴァイオリンの音に心をこめながら真剣に演奏活動と向かい合う著者の生き方に対して、おおいに感銘を受けました。
<ノート>
・“心を入れた音” 願いをこめて練習する。
・無心になることは難しい。
・音楽は心のダンス。音楽とは“魂の会話”。
・「神は、そのことに耐えられる人にだけ、大きな試練と栄光を与える。」
・人と人との間に、ほどよい“距離感”を持つ。
・芸術探求の旅 ・・・すべての学問は、「無限性」と「不可解」にたどりつく。感性は生きる上で最も重要である。感性を養うためには、自分自身と向き合うこと、人間の理解を深めていくこと、人間社会を理解するよう努めること。
・演奏の伝達に関する実験結果
「演奏家のつくろった思い」はまったく伝わらず、「内面の本質」が聴き手の感性に触れる。
・200%の努力
どんなに苦しみが多くとも、ほんの少しの喜びと音楽を愛する熱い想いさえ持っていれば、きっとすべて乗り越えられる。
・丹田
腹にさらしを巻いて、丹田を意識する。
・耳栓を使った練習
耳栓をして難しい曲を練習すると、どんなに自分の音が聴きにくい状況でも戸惑うことなく演奏できる。
・父親の教育方針
どんな道を選んでもよい。“一流”ではなく、“超一流”でなくてはダメだ。
(2008/5/6記)
知ってるようで知らない ギターおもしろ雑学事典 湯浅ジョウイチ 著 [1:演奏技術およびギター関連]
ギターの歴史に始まり、音楽ジャンル、アーティスト、ギターに関するトリビアまで、広範囲に渡ってまとめられた本。
かなりマニアックな領域まで突っ込んだコメントや著者の主観に基づいた意見が楽しめます。
ギター奏法およびギターの木材と音質の関係に関するコメントを拾ってみました。
<ノート>
●ギター全般
・クラッシックギターの元型を作ったのはトーレス。
・セゴビアは親に隠れてギターを練習した。(親の反対や時代の影響のため)
・ロベン・フィードと著者のQ&A
フレーズはその時に鳴っているコードを意識して弾くこと。
ブレスコントロールが重要。管楽器奏者の感覚でギターを弾く。
・リバプールサウンドは、豊かで軽やかな中高音が特徴。
・ウェス・モンゴメリーに深く傾倒すると、ノイローゼになるらしい?
・渡辺香津美の手は小さい。
●ギターの構造・音について(ヤマハ 成瀬氏)
・表板
杉系の表板は軽くて振動しやすい。スペイン的な明るい音楽に向く音色。
松系の表板は、音の線は細いものの、芯があってクリアな音色。バロックのように複数の音が様々に動くような音楽でも、ハッキリと聞こえる。
良い表板は、木目が均一で密に揃っている。木目と交差するように髄線(放射組織)が格子状にあって、かつ全面にあるもの。ベアクローも良材。
・裏板
裏板中に含まれる脂の成分は音質の一端を担っている。
・ネック
ネックはわずかな順ぞりが理想。
・経年変化
昔のギターは2~3年弾きこむと音が良くなった。初めから良い音のするギターは表板を薄くしているが、板に力がないため寿命が短くなる。
・遠鳴りとそば鳴り
遠鳴り:聞こえる音量感は決して大きくないが、遠くまで聞こえる音。特徴は音の中に少し芯のある雑音感が含まれていること。(これが遠くまで聞こえる要素)
遠鳴りの音は近くで聴くと少々嫌味が強く聞こえるが、そば鳴りはこれが弱い。
・合板と単板
異なる材を貼り合せた合板では、それぞれの個性が入り混じって単板にはない複雑なニュアンスが出る。合板も良い方向に経年変化する場合がある。ただし、経年とともに貧相な音になる場合も多い。良い音といっても、単板の音とは本質的に違う。
(2008/5/3記)
知ってるようで知らない ギターおもしろ雑学事典 湯浅ジョウイチ 著
- 作者: 湯浅 ジョウイチ
- 出版社/メーカー: ヤマハミュージックメディア
- 発売日: 2007/10/25
- メディア: 単行本
音のふしぎ百科①、② 繁下和雄編 [3:音響関連]
図書館の子ども本コーナーにあった本。音に関して気になる記事をメモしてみました。
<ノート>
・音の正体
音は空気の濃淡の繰り返し。
・弦楽器
弦楽器は弦を弾く位置によって音色が変わる。
サドルから遠い部分:やわらかい音 弦全体の振動が強調される。
サドルに近い部分:小さい部分の振動(高周波)が強調されて、より硬い音になる。
・ピアノ
クリストフォリにより、1700年頃に発明された。ハープシーコードでおとの強弱変化がつけられないことに不満を感じ、ダルシマーを参考に、弦をハンマーで打つ楽器を作った。もともとは“ピアノフォルテ”という名前だった。
・男女の声の違い
女性は男性より声帯の振動する回数が倍になる。(=1オクターブ高くなる。)
・人の話は何人まで聞けるか?
話している人の人数が3人以上になると、急に聞き取れなくなる。
・日本の音
虫の声のように、雑音にも美を感じるのが日本人の特徴。西洋の楽器はピッチが安定していて澄んだ音(楽音)を出すように作られているが、日本の楽器の中には雑音(ノイズ)のような音をわざわざ付け足すようにできているものもある。びわや三味線は、弦と柱(じ)や さお が触れてジジジーッという雑音が加わり、音に色合いをつけている。
・西洋の鐘と日本の鐘
西洋の鐘は表面がつるんとしており、楽音が出る。日本の寺の鐘は、表面の凹凸のためにいろいろな高さの音が同時に出るため、独特の響きとなる。
・バイオリンと三味線、筝、和太鼓の構造
バイオリンは胴のとがった部分に小さな三角形の空間ができ、それが高音を良く響かせている。三味線、筝、和太鼓には内側にノミで綾杉模様が彫ってあり、ここに小さな空間を作っている。
・演奏
演奏=play。演奏することと遊ぶことは英語では同義。遊びには「ゆとり」という意味がこめられている。楽器を演奏するということは、「心を解放してゆとりを持つ」ことにつながる。
=======================
・音響デザイナー 今井裕氏のコメント
子供向けの番組の音にはとても注意している。
ロケットの発射音は、街の雑音を200以上重ねて作った。
ときどき屋久島に行き、森に入って朝から夜まで木に横たわり、耳を澄ましながら木の鼓動を聴く。しまいには地面の下を流れる水の音まで聞こえるようになる。木の葉が地面に一枚落ちただけで、爆弾が落ちたような大きな音に感じ、びっくりして飛び起きるほど耳が敏感になる。
・レコーディングエンジニア 蜂屋量夫氏のコメント
曲を作るときに大事なのは、ひとつの曲を作るために集まった人の描く曲のイメージがぴったり合うかどうか。イメージが一致して、みんなが「のれた」とき、とてもいい曲ができる。
いい音を作るには、心にいっぱい引き出しがあって、そこからたくさんの新しいイメージがあふれ出てこなくてはならない。ときどき仕事を離れて、心も体もリフレッシュしている。
(2008/5/25記)
ピアノ・テクニックの基本 ピーター・コラッジオ著 [1:演奏技術およびギター関連]
ピアノを表情豊かに弾くための方法論。
ソロ・ギターの演奏にも応用できる考え方が多く、非常に示唆に富んだ内容でした。演奏の方法論に関するテーマの本はピアノとバイオリンがほとんどですので、プロのギタリストの方にもぜひ取り組んでもらいたいところです。
<ノート>
・技術
目に見えないテクニックがすばらしい技術。
・美しい演奏
美しい演奏は、“聴く”ことからはじまる。1音にこめられた意味や表情を、どのような音でどのように表現するか、を考える。
・パルスを感じる
演奏中にいくつかの音を間違っても、正確なリズムをキープする方が音楽的コミュニケーションにとって重要。ゆるぎない、規則的な パルス を感じながら演奏する。
・練習について
目指す音を出すために、試行錯誤を繰り返して、不必要な緊張なしに音をコントロールできるテクニックを習得する。そのためには、意味のある練習をすることのみ。
・ピアノの性格
ピアノは打楽器的な性格を持つ。
・余韻
音をどれだけ持続させるのか、どれだけ余韻を残すのかを考えて準備する。
・音符を線で結ぶ
音符を線で結ぶことで、音がどこに向かっていくのか・・・高く上がっていくのか、あるいは低く下がっていくのか・・・を予測できる。
・メロディーのコントロール
一般的に、メロディはピッチが高くなる流れでは強く、下がっていくメロディラインでは音量が小さくなる。
・息つぎを!
自然なフレーズをつくるために、練習のときはピアノに合わせて歌うことも大事。
・メロディー
メロディーを浮き立たせるには、単純なメロディーを大きな音で弾くこと。
・深く⇔浅く
大きな音を出すときは、指が鍵盤を突き抜けるようなイメージで。伴奏を弾くときは鍵盤を浅く押さえて柔らかい音色に。
・聴く!
演奏するうえで必要なただひとつの法則は、自分の奏でるすべての音を最後まで聴いて注意を払うこと。
・ベース音
最低音であるベース音は非常に重要な音。大きく弾く。ベース以外のコード構成音は、ベース音とブレンドするように弱く弾く。
・伝えるということ
自分が音楽を通して伝えたいことを、すべての動きを使って、様々な表現方法によって伝える。
・演奏の手順
奏でようとするフレーズについて、まず頭の中で聴くことが大切。
聴く→準備する→奏でる→知覚する のサイクルを繰り返す。
・呼吸
演奏においては呼吸を整えることが大事。
・自ら発見する
作品やフレーズの持つ音楽性をより美しく表現する方法を先生が教え込むのではなく、練習者に自ら発見させることが大事。
(2008/11/24記)
オーディオマニアが頼りにする本① 桝谷 英哉著 (1982年) [4:オーディオ関連]
オーディオの選択および理論について考察した本。
オーディオの世界にまかり通る珍説について解説を試みています。主張に対する論理的な裏づけが足りないと感じられる部分があったり、比喩の表現に?と思わせるところが見受けられますが、他のオーディオ本にはない切り口で音に対して切り込んでいる内容に関しては、「こういう見方もあるのか」と気づかされるものがありました。
<ノート>
・大口径のスピーカー
口径が大きくなければ低音がでない、という考えは誤り。あまりにも口径が大きいと、振動部の慣性が大きすぎるために信号が止まってもコーンが震え続けるため、残響が大きく、ボンついた低音になる。
・良い音にするためのアプローチ
自分の持っている装置の悪い音をひとつひとつ無くしていくのが、良い音へのアプローチである。
・リスニングルームの特性
リスニングルームはデットに近い方が有利。音源には残響が含まれている。部屋の吸音材を増やすと、低音の締まりが良くなる。
・真空管の音
真空管はインピーダンスが大きいため、より低い周波数から影響が出始める。また、真空管を作動させるためには300-500Vの高圧電流と、それに応じたコンデンサが必要となる。
・トーンコントロール
トーンコントロールの回路は音を濁らせる。
・マルチスピーカーの回路
マルチスピーカー作動させるために音域を分割しようとすると、コンデンサとコイルの影響で位相がずれる。
・機器の選び方
ユーザーがオーディオの本当の中身について勉強して商品の良し悪しを自分で見分ける力を持つ以外に、有効なコンポ選びの方法はない。
(2009/4/11記)
トコトンやさしい音の本 戸井武司著 [3:音響関連]
音に関する基本的なイメージづくりに役立つ本。
音楽に関する記述はそれほど多くありませんが、オーディオや楽器の音に視点が偏りがちな自分としては、逆に音楽以外にもいろいろな分野に「音」が関係していることを知り、視野が広がりました。
<ノート>
・人に聞こえる音
成人の耳では、4kHz前後の感度が最も高い。
聴感特性のため、低周波数は大出力を出さないと聞こえない。
・聴力検査
耳の健康診断ではオージオメーターを使用。1kHzで30dB、4kHzで40dBが聞き取れるかどうかで判断する。40代ぐらいから徐々に老人性難聴が進行する。
・低周波数の音
低周波数の音は通常は聞こえない。この周波数帯の音の音圧が高いと、不安や不快な感情を引き起こす。
・音色の解析
周波数分析や時間変動など、いろいろな側面から音を客観的に調べる。
・うなり
物体の持つ2つの近接した固有振動数により、うなりが発生する。(日本の鐘)西洋の鐘はうなりが小さくなるように調整されている。
・音の分析
音響固有周波数や音響モードなど、空間の音響特性を調べる。
・構造と音響の連成現象
音圧により構造物が加振され振動が生じる場合や、逆に振動により音響空間が影響を受ける場合を指す。
・音の利用
探針、探傷、移動(超音波モータ)、接着(超音波溶接)、霧の発生、破壊(超音波治療)、洗浄(超音波洗浄)
・快音化
音圧および周波数帯のバランスをとることで、快音化を図っている。車内の音、各種機器の音など。
・音の伝達
固体伝播と空気伝播がある。固体伝播で固体中を伝播した音が、最終的に音を放射しやすい部分で空気と接触して空気伝播の音になる。
・床の響き
コンクリートと木の床では響きが異なる。木の方が低周波数域の音圧が高くなる。
(2009/4/11記)
トコトンやさしい音の本 (B&Tブックス―今日からモノ知りシリーズ)
- 作者: 戸井 武司
- 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
- 発売日: 2004/10
- メディア: 単行本
長岡鉄男のわけのわかるオーディオ 長岡鉄男著 (1999年) [4:オーディオ関連]
オーディオ評論家によるオーディオの全体感を解説した本。
機器の電気工学的な解説の定義に疑問を感じるところもありますが、「よい音を出すためにどうアプローチすればよいか」という点に関しては、著者の試行錯誤の跡が文章の背後からにじみでていて、参考になりました。
音を聴くことに対し、 ソフトウェア~ハードウェア~発音~聴覚能力 の各因子についてトータルにレベルアップしていくという基本概念を持っていることがうかがえます。
文中で「オーディオで最も大事なのは音波(音楽信号)から(スピーカーによる)音までの伝達・分析機能の正常化と以上信号の排除だが、これが理解されておらず、音波だけに全力投球するマニアが多い」と苦言を呈しています。
<ノート>
・音量
オーディオ好きな人々は、小音量派から大音量派までさまざま。演奏家は概して大音量派である。
・良い音と悪い音とは
良い音も悪い音もない。あるのは感覚的にいえば「好きな音」と「嫌いな音」。物理的にいえばソフトに忠実な音(ハイファイ)と忠実でない音(ローファイ:欠落や付加のある音)に分けられる。
・耳の能力
耳の能力の差は想像以上に大きいものであり、オーディオで最も大切なのは、自分の耳の特徴(感度、f特、許容能力、そして好み)を確認すること。
・スピーカーの低音域発生能力
スピーカーでは低音になるほど音の空振りが多くなる(=伝達効率が悪い)
・エージング
反りのある合板を使ってスピーカーを作ると、内部応力で突っ張っている。この状態のキャビネットは叩くと敏感に反応して、ボンボンとかビンビンとか鳴りやすい。このような残留応力はエージングで解消する。
・機器の筐体(きょうたい)構造と音の関係
アナログ・ディスク、CDとも共通するのだが、繊細な高域は回路の工夫や高品位のパーツの採用で達成できるが、ローエンドの重量感、瞬発力といったものは電源、キャビネットの強度といったもので左右されるようだ。
・ケーブル
ケーブルで音が良くなるか悪くなるかは分からない。ケーブルの接触によっては、音が変化する。ラインケーブルにはまだ分からない部分が残っているようで、オカルトの世界に近い。一番大事なのは理解して使うことではなく、信じて使うことだと言われる。
(2009/4/11記)
基礎 音響・オーディオ学 小泉宣夫著 [4:オーディオ関連]
著者が大学で担当している音響学関連の講義録をもとにして、音響およびオーディオに関する項目を一冊にまとめたもの。
“音響学とオーディオの全体を見渡せる解説書”が本書の狙いであり、基本的な事項がまとめられていて分かりやすい内容です。
本格的に音響学を勉強したいのであれば、基礎固めのために手元に一冊置いておきたいと思いました。
<ノート>
・ピアノの音
最低は27.5Hz、中域は200~900Hz、最高は4186Hz。
・耳のしくみ
鼓膜は厚さ0.1mm。実効面積50mm2。2.5~3kHz付近に共振点。
・ピッチの感覚
1000Hz以下では、音の大きさの増大とともにピッチが下がり、2000Hz以上では逆にピッチが上がるように聴こえる。
・弦楽器の振動
弦の中心で弦をはじくと、正弦波振動の組み合わせが高調波(倍音)成分を作り出す。支持部付近ではじくと、その初期波形はのこぎり波状となり、より多くの高調波成分を誘発する。ピアノは低い音ほど、また強く打鍵するほど高調波成分が多くなる。
・母音の分析
平均的に男性は100~150Hz、女性が200~300Hz。
(2009/4/4記)
オーディオ基礎知識401 音楽之友社編(1985年) [4:オーディオ関連]
CDが普及し始めた頃に編集された、オーディオ関連のノウハウを集めた本。複数の執筆者による記事から構成されています。主に音響に関する項目についてチェックしてみました。
現在よりもこの時代の頃の方がオーディオのノウハウについて盛んに議論されていたように感じられます。
<Note>
・オーディオシステム
まず決めるべきコンポーネントはスピーカー。理由は装置全体の音を支配するから。
・対立する音
“はじく音”と“こする音”は波形の点で両立しにくい。
はじく音・・・立ち上がりの鋭い、衝撃的な波形。(ギター、ピアノ、弦楽器のピッィカート、金管楽器)
こする音・・・連続的な高周波成分の多い音。(弦楽器の弓による演奏、木管楽器)
はじく音:トランジェント特性、ダイナミック・レンジの広いリニアリティーが要求される。
こする音:帯域バランスが絶対に必要。
・ワウ・フラッターの影響(レコードやテープなど)
ワウ:比較的長い周期の回転ムラ。ピアノやパーカッションの立ち上がりや余韻が「プォーン、プォーン」というように震えてくる。ピアノのタッチやフルートの音を聞くと分かる。
フラッター:ワウと比較して短い周期の回転ムラ。クラリネットやサックスなどのリード楽器が濁って聞こえる。ヴォーカルで声を張った時に うがい をするようなヒリヒリとした音に感じられる。音の艶が不足して、ドライで乾燥して滑らかさが不足する。中~高域楽器(クラリネットやオーボエ)の音を聞くと分かりやすい。
・スピーカー
概して海外性のスピーカーは音楽を音楽らしく鳴らすものが多い。日本製は音楽を情報信号として伝えるイメージ。
・現実の音
平面波の音は形状歪みのない素直な音だが、現実の楽器の音は球面波に近い。平面波は指向性が強く、球面波は音源から遠ざかると放射状に音が広がる。
・高域の音と日本人の耳
人間の耳、特に日本人の耳は高域に対してデリケートで、ちょっとした汚れや粗さを感知する。きれいな高域とは、周波数帯がよく伸びていることと同時に、歪みが少ない、ノイズが少ない点が特徴。
・スピーカーの周波数帯
20Hzまでフラットに出るスピーカーはほとんどない。一般的には40~50Hzが下限。ピアノの最低音は30Hz近辺。感覚的には50Hzまで出れば低音不足は感じない。
・音域の定義
低音:20~200Hz
中低音:100~500Hz
中音:200~2kHz
中高音:2k~8kHz
高音:2k~20kHz
・聴覚障害
ヘッドホンを使って大音量で聞いていると、耳を悪くする。聴覚障害は、高い周波数の方から起こる。4kHzでの感受性の落ち込みが最大。さらに周辺の2k~8kHzの感受性が低下する。
・ヘッドホンの音
ヘッドホンを使うと歯切れの良い音になる。
理由は、①周囲の騒音がないため、細かい音まで聞こえる。②部屋の残響がないため、音がぴたっと止まる。
・部屋鳴り
カーテンを使うと、部屋鳴りを改善できる。部屋鳴りは中・高音域の響きを低下させる。また、部屋のコーナーに丸めたままのカーテンを吊るすと、低音域を吸収してくれる。木製の家具は低音で共振して音を吸収する効果がある。
厚いじゅうたんやカーテンのある部屋は残響がなく、デットな鳴り。音楽を聴くには不向き。ほどほどの反射音がある方が落ち着く。(→反対意見あり。リンク)
・CDの特徴
雑音が少ない。音の歯切れが良い。従来のアナログ・ディスクにみられるようなゴースト(プリ・エコー、ポスト・エコー)も皆無。
・ステレオ
大編成のオーケストラはステレオ感を表現できる。ギターのソロのような音楽の場合は、むりにステレオ感を強調すると、不自然なものになってしまう。
(2009/4/16記)
オーディオ基礎知識401 (オーディオ選書―オーディオ基礎講座)
- 作者: 音楽之友社
- 出版社/メーカー: 音楽之友社
- 発売日: 1985/10
- メディア: 単行本
学研電子ブロックのひみつ 大人の科学編集部 [4:オーディオ関連]
1976年に学研から発売された電子ブロックは、電子部品の入ったブロックを組み合わせて回路を作り、さまざまな実験ができる電気実験キット。2002年に復刻版が発売されています。
音楽の録音やオーディオについて深く知りたいのであれば、電気回路で遊びながら音と電気の結びつきを感覚を身につけていくのが早道、と考えているので、このブログで「電子ブロック」を取り上げてみました。
オーディオや録音関連の本では、「周波数」「電圧」「コイル」「ノイズ」「インピーダンス」「回路」「波形」「アース」など、電子工学関連の用語がポンポン出てきます。
これらすべての言葉を完璧に理解する必要はないと思いますが、例えば周波数ひとつとっても、感覚的にこれらの要素を把握できないと、録音音源の調整を行なう際に「何を動かしたら音がどのように変化するか?」というイメージができないのです。
電子ブロックで遊べば、少なくとも電子回路の基本原理は分かるようになります。また発振によって音が出る回路中にある抵抗やコンデンサを変えるだけで音の高さや伸びの変化を実感できます。
実験というよりも遊び感覚で、時々取り出しては回路をいじっています。
現在発売されている電子ブロックには、オリジナル版と同じ内容の回路図のついた冊子が入っているのですが、回路の説明が素っ気無いので、回路を作ったらおしまい、という感じでした。
「回路の作動原理を説明した本はないかなぁ・・・」と探していて見つけたのが、この『学研電子ブロックのひみつ』。回路のしくみが分かるので、実験がさらに楽しくなることうけあいです!
・
・
なお、電子ブロックに含まれる音に関係する実験回路は以下の通りです。
・各種ラジオ回路
・アンプ(マイクの音をスピーカーから出す)
・発振回路(いろいろあり)
・周波数倍音機
・騒音測定器
・火花電信
・無線電信
・電子メトロノーム(ブロッキング発振)
・音声レベルメータ
(2009/4/5記)
<Amazon>
学研電子ブロック 復刻版 解説本
音楽家になるには 中野雄著 [1:演奏技術およびギター関連]
プロの音楽家について、音楽プロデューサーの視点から書かれた本。
自分はあくまで趣味の世界で音楽を楽しんでいますが、ここのところ演奏技術が停滞気味。さらに演奏技術を向上させるためにはプロの心構えと真剣さが必要なのではないか・・・と思うところがあり、手にとってみました。
一流音楽家が日常行なっている練習や演奏に対する考え方に、大きな刺激を受けました。
「目的を持った努力」の大切さを痛感させられます。
<ノート>
・「楽譜に忠実」だと、機械的な演奏なってしまう。
・弦楽器は“自分で音をつくる楽器”。
・基礎を正しく身につけることが大事。
・よいタッチを身につける。よく自分の音を聴いて、歌う。
・音楽はあくまで聴く人の心に沁み入って、それを揺り動かすようなものでなくてはならない。
・明確な意思を持って、自分の音を表現する。
入江順一郎のオーディオ・ベーシック講座 入江順一郎著 (1988年) [4:オーディオ関連]
「週刊FM」誌に連載された表題の講座を一冊にまとめたもの。
時代背景がレコード・カセットからCDに置き換わりつつある頃のものですので、いずれの音楽フォーマットについても動作原理や音に影響する因子について分かりやすく説明されています。最近はデジタル・オーディオばかりになってしまいましたので、こういった機器の作動原理の解説をみかけなくなりました。
「オーディオは感覚で覚えて欲しい思っている」と著者はあとがきで述べています。目に見えない抽象である「音」の再生・録音に関して、各機器が果たしている役割をイメージするのにこういった本が最適だと思いました。
<ノート>
・アンプ
本当のところ、アンプはない方がよいと思っている。アンプがあるからアンプの音質がどうのとか、重量がどうのとかの問題が出てくるわけで、レコードのカートリッジから直接スピーカーにつないで鳴らすことができれば最高。
・ラウドネスのスイッチ
音量が小さい時は、人間の耳の高音と低音の感度が低下するので、これらの音を強調するのが「ラウドネス」の機能。
・4kHz付近の音
4kHz付近が耳の感度のよい領域。日常生活でイヤな音(キーキーする音)もこのあたりの周波数。オーディオでここの音が出っ張っていたり、粗い音になっていたりすると、やかましく感じたり、音がやせたり、高音域が伸びていないように感じることがある。
・3ウェイスピーカー(大→小へ、ウーファー、スコーカー、ツゥイーター)
スコーカーは中音域を担当し、音楽で大切なボーカルの帯域を確保するのが目的。スピーカーの振動板の材質は、なるべく統一した方が音のつながりがよくなる。(音色が統一される。)スピーカーのコーンの材料は、以前は紙だった。ウーファーはカーボン材が多い。求められる材質は、軽くて強度があり、材料中に適度な隙間があるもの(内部損失が大きくなる)。
・周波数の分配
3ウェイスピーカーへ入力する信号は、周波数帯によって分配する。そのためにはコイルとコンデンサを組み合わせて使う。コイルは高い周波数ほど通しにくく、コンデンサは逆の性質を持っている点を利用する。
・スピーカーの台
コンクリートブロックは使用してもよくない。全体に音がパサついた感じになり、低音も部分的に固まって低い方に伸びてくれない。
金属製の台:音にメリハリがついてしっかりした音になる。
木製の台:響きがよく、自然な感じ。
・スピーカーのケーブル
なるべく太いケーブルを短く使用するのが原則。
・CDのフィルター
CDでは高周波域のノイズをカットするため、ローパスフィルターが使われている。アナログ・フィルターでは20kHz以上の周波数帯に急激な減衰曲線をもたせることが難しい。急峻な減衰特性を持たせると、高音域で位相の反転(信号の進み遅れ)を生じて、音場感に影響が出る。通常はデジタルフィルタを使う。
・カセットデッキ
テープに使われている材料の磁気特性の関係で、そのまま録音すると音が歪むため、バイアスをかける。100kHz前後の周波数を使う。テープでは広域でヒス・ノイズが発生するため、録音時に高域のレベルを上げて録音し、再生の時はその分レベルを下げることでノイズを低減させる。
・テープに発生するワウ・フラッター
6Hzを境にして低い方の回転ムラをワウ、高い方をフラッターと言っていた。ワウは音がワウワウという感じ、フラッターは音が濁る。
(2009/4/9記)
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アメリカン・ルーツ・ミュージック 奥 和宏 著 [1:演奏技術およびギター関連]
アメリカ音楽とそれにまつわる楽器の歴史がまとめられています。もちろん、ギターの歴史もきっちりと調べてありました。
弦楽器の栄枯盛衰をみると、1921年まではマンドリンの生産が盛んで、その後ギターの生産が盛んになりました。
フォークギターについては、当初の指で弾くスタイルから、フラットピックでガンガン叩きつけるスタイルに変わり、用いられる弦も音量を稼ぐためにガットから鉄弦に変わり、それが現在まで続いています。
ここ最近まではドレッドノート・ボディのギターが人気でしたが、フィンガーピッキングによるソロ・ギターブームを受けていろいろなタイプのギターが出てきているので、今後はどういうギターが主流になっていくのか、楽しみなところです。